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幽体離脱 (原題) EDEN

  【監督】 ハワード・ゴールドバーグ
  【脚本】 ハワード・ゴールドバーグ
  【音楽】 ブラッド・フィーデル
  【出演】 ジョアンナ・ゴーイング
  【出演】 ディラン・ウォルシュ
  【出演】 ショーン・パトリック・フラナリー

【あらすじ】

多発硬化症による足の麻痺に苦しみながらも前向きに生きる主婦ヘレン。

彼女は、大学予備校の名門エデンで教鞭をとる夫ビルと、教育についてたびたび意見を対立させていた。

そんなヘレンに思いを寄せる落ちこぼれの下宿生デイブは、彼女の助言でやる気を起こすが、伝統と格式を重んじる学校側はヘレンのやり方に批判的だ。

夫ビルとの確執も深まる中、ヘレンの言動はますますエスカレートし、それは人間の理解を遙かに越えた不可解なものへとなってゆく。

そんなある日、彼女は原因不明の昏睡状態に陥った・・・主婦ヘレンの身にいったい何が起きたのか!

“幽体離脱”の謎に真正面から取り組んだ衝撃の異色ドラマ!

(※ビデオ・ジャケットの解説そのまま)


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主演のジョアナ・ゴーイングはなかなかエロいです

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幽体の手で本を取ろうとするが…

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自己中なダメ夫、ビル


【感想】

まず最初に言っておきたい。

この【あらすじ】は誇張されすぎというか、書いたヤツほんとに観たの?…と思ってしまう。

> 伝統と格式を重んじる学校側はヘレンのやり方に批判的

ん?…そんなシーンあったっけ? というレベル。
学校の教諭である夫と対立するシーンはあったけど…。

> それは人間の理解を遙かに越えた不可解なものへとなってゆく

ちょっと電波な痛い発言はあったけど、「人間の理解を遙かに越えた」というほどのモノでもない。

> “幽体離脱”の謎に真正面から取り組んだ衝撃の異色ドラマ!

謎に取り組むどころか、謎にはコレっぽっちも触れていない!

たしかに、ヘレンは離脱中に自宅を離れ、友人宅で友人夫婦が喧嘩をしているのを目撃したりもするが、この夫婦は普段からよく喧嘩をしているらしく、劇中では「夢だった」という解釈も可能な表現になっている。

その後、昏睡したヘレンは、煩わしい家庭や病魔に蝕まれた肉体から解放され、自由になった魂で大宇宙を探訪し、宇宙の真理の一端にも触れるのだが、それも見方によっては昏睡中に見た夢だった…という解釈も可能な描かれ方なのだ。

これは、劇中での神秘体験が、魂が肉体を離れた現実の体験なのか、それとも脳内現象なのか、視聴者の解釈によって、どちらとも取れるようにした製作者の意図なのだと思う。

ようするに“幽体離脱”の謎は、“謎”のままなのである。

そもそも、私はこの映画のメインテーマが「幽体離脱」だとは思わない。

劇中での幽体離脱(的な)体験は、病魔に蝕まれゆく肉体、煩わしい夫や子供、1960年代の保守的な地域社会からの心の開放の象徴であり、あくまでストーリー上の(かなり濃いめの)エッセンスだと思う。

それらの体験を通して、一人の女性が自己を確立し、幸せを再確認する過程こそが本当のテーマだと私は考えるのだ。

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久々にヤル気になったヘレン

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脚の補助具を外すのにもたつくビル

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やたらもたつくビル

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やっと合体かと思われたが…

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勃たないビル

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合体できないのは自分のせいだと思い込むヘレン

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自分の肉体に心底嫌気が差したヘレンは

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あちらの世界でひきこもりに…

ラストまで見ると、なぜ原題が「EDEN」なのかよく理解できるし納得もゆく。

だが邦題の「幽体離脱」は、あきらかにセンセーションなミスリードを誘った営業サイドの勇み足と言わざるを得ない(副題くらいにしとくべきだった)。

ただ、営業サイドの意向がどうであれ、個人的にはジャケの解説通り「 “幽体離脱”の謎に真正面から取り組んだ衝撃の異色ドラマ!」を観たかった…というのがホンネかも。

主人公と同世代の既婚女性であれば、この作品に共感することも多いのかもしれないが、私としては主人公にイマイチ共感できないのだ。

多発(性)硬化症は1960年代当時は不治の病で(現在も?)な大変な病気だが、劇中のヘレンは脚が多少不自由なくらいで、夫は多少自己中だけどそれほど悪いヤツじゃないし、子供たちは多少ギャーギャーうるさいけど元気で普通にかわいい。

この程度のことだったら夫婦なら多かれ少なかれあることで、人生を悲観して肉体から逃げ出してしまう(昏睡して幽体離脱三昧)ほどのことかなぁ…と思ってしまうのだ。


それにしても、このレビューを書くのは結構しんどかった…。

書評より書きやすい、早く書ける、と思って映画レビューにしたのに、テーマがイマイチ見えてこなかったから、結局2回観た(2回目は倍速だけど)。

正直(パラサイトシングルのオレには)夫婦の心情の機微を描いた難しいテーマの作品のレビューはキツいぜ(笑)

というわけで、なんか消化不良感ありありのレビューだけど、これにて終了…。

エロ嫁度 ★★★☆☆
ダメ夫度 ★★★★☆
脳内現象度 ★★★☆☆

幽体離脱 (主演)ジョアナ・ゴーイング amazon


ところで、“多発性硬化症”と聞いて、↓の画像を思い浮かべた人は私と同世代かも。

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「脳がとける奇病」というショッキングな言葉と怖いイラストがトラウマに…

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当時の小学生に大人気だった「学研 ジュニア チャンピオン コース」

写真の本は昭和47年初版で、昭和54年26刷となっていることからも、およそ10年にわたるロングセラーだったということが伺える。

以前、同世代の友人数人との酒の席で、学研の「ジュニア チャンピオン コース」の話題になったのだが、この「脳がとける奇病」という言葉のインパクトと不気味なイラストについてはみんな知って(覚えて)いた(しかもトラウマ的記憶として)。

今となっては(病気に苦しむ患者さんがたくさんいるというのに)「ヒバゴン」や「お菊人形」などの怪奇現象と同列に扱い、病気への偏見を煽るようなこの本の無神経さは現代の常識からは考え難いが、このハイブリッドなごった煮感こそがこの本の魅力でもある(いま読んでも面白い!)。

映画に登場する1960年代の“多発性硬化症”の一般的認識とは、まさにこの本のような認識だったと考えれば、主人公ヘレンの悲しみや苦しみがさらに理解できる…かも?

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Comment:2 | TrackBack:0   2009/07/25
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